ダンテ「神曲」(Commedia)レビュー・シリーズ、5回目である。大きく三つに別れるこの大作の「地獄篇」第10歌〜第12歌について紹介。なお「神曲」は序を含めて全部で100歌ある。 「地獄篇」第10 C 第四と第五の谷の間にプレギュアスが渡すステュクス川の流れ込む沼がある。, 地獄の内円/内門とディースの都市 彼は悲嘆のあまりわれとわが腕に喰らいついた。 ミ� 神曲 地獄篇・煉獄篇・天国篇 3冊揃 <講談社学術文庫 2242・2243・2244> ¥ 4,000 ダンテ・アリギエリ [著] 原基晶 訳 、講談社 、2014 、15cm 、3冊 ダンテ自身が、地獄・煉獄・天国への旅に出るという物語である。「この門をくぐるものは一切の希望を捨てよ」と記された門をくぐって地獄へと足を踏み入れると、そこには文字通りの地獄絵図が広 … 解説: イタリアの詩人ダンテ(1265~1321)が書いた「神曲」をテーマに、「Inferno(地獄)「Purgatorio(煉獄)」「The Ascension(昇天)」「Paradiso(天国)」の4つの楽章からできていて、その第1楽章が「地獄篇」です。 好きな都市はフィレンツェとジェノヴァ。, 高校時代に世界史を勉強した人の中には『神曲』という文字を覚えている人もいるかもしれません。『神曲』は14世紀初頭に完成した叙事詩です。, イタリア・フィレンツェ生まれの詩人ダンテ・アリギエーリによって記されました。キリスト教文学の最高峰とされる作品で、カトリック教会において大きな影響を与えました。, この記事では、カトリック教会、イタリア文化において重要な意味を持つダンテ『神曲』における、地獄篇について、ザックリと解説してみたいと思います!, 物語は著者ダンテ自身が三つの世界を旅するという体裁をとっています。そして今回紹介する地獄篇には古代ローマ時代の詩人ウェルギリウスが先導人として登場します。, ダンテは生前の行いのゆえに罰せられる人々と時に言葉を交わしながら、天国を目指していきます。, また著者ダンテ自身が「イタリア語の祖」と呼ばれる所以もこの『神曲』にあります。その理由は、この作品が当時の教養人の共通語のラテン語ではなくトスカーナの方言で書かれたことによります。, ここで使われたトスカーナ方言が後のイタリア語の成立の源となったことも『神曲』の持つ大きな意義の一つです。, ダンテ・アリギエーリは1265年に貸金業を営む一家に生まれました。修道院付きの学院に通って学問を修めたのち、フィレンツェ共和国の統領の一人に就任しました。, この権力争いはローマ教皇と(神聖)ローマ皇帝という二つの権威による闘争でした。フィレンツェにおいても白派(教皇党)と黒派(皇帝派)に分かれ、権力闘争が展開されていました。, ダンテは前者に属していましたが、黒派の起こしたクーデターによって亡命せざるを得なくなってしまったのです。, 亡命しながら政権奪還を画策する中で、彼は『神曲』の執筆を開始しました。そのままダンテは執筆を続けながら北イタリアの各都市を放浪します。, 1321年、ダンテはラヴェンナで故郷フィレンツェに帰りたいと願いながらその生涯を閉じました。, 『神曲』における最初の物語が地獄篇で、その名の通りキリスト教における地獄を描いています。物語はダンテが暗い森にふと迷い込んでしまうところから始まります。, ウェルギリウスは常に怯えるダンテを叱咤激励し、頼れる先生のような存在です。途中に登場する恐ろしい怪物たちにも怯むことなく果敢に相対します。, なお地獄篇にはダンテを追放に追いやった政敵も数多く登場します。作中で彼らは様々な形で責め苦を受けています。, 筆者の私見ですが、ダンテ本人も彼らに対する私怨を晴らすという目的がなかったわけではなかったのでしょう。, 『神曲』における描写やボッティチェリの『神曲挿絵』などによれば、地獄は漏斗状になっていて九つの圏で構成されています。生前にどのような罪を犯したかによって、どの圏で罰せられるかが決まります。, 例えば、第二圏には淫乱の罪を犯した魂たちが、第四圏には貪欲の罪を犯した魂たちが罰せられています。, 第一圏(辺獄、リンボ):正しく生きたが洗礼を受けなかった者たち 運命のままに飛ばされたところで荒麦の粒のように芽を出し、若枝となり野生の大樹となる。 現代の地獄の概念を作ったとされるダンテの『神曲』。そしてこれを正確に再現したのがサンドロ・ボッティチェリの「地獄図(地獄の見取り図)」。9つに分かれた地獄とそれぞれの罪人たちの様子。この「地獄図」からそんな地獄の世界観が見て取れるのです。 イタリア・ルネサンス文化を支えた、詩人・哲学者として有名なダンテの代表作『神曲』をざっくり解説します。大人になるために必要な教養をサクッと身につけましょう。 正義は至高の主を動かして、 PS3 ダンテズ・インフェルノ神曲地獄編の攻略サイトです。その他も随時攻略中の総合ゲーム攻略サイトです . さて神曲の地獄篇レビューもだんだん佳境に入ってきた。 意外と面白くなるのはこの辺りからだ。 第7歌〜4つ目の谷 第4の谷に入るとプルートンという化け物らしきキャラクターがダンテとウェルギリウ … -第三小圏:神を罵った者、同性愛者、銀行家 聖物や聖職を、おまえら盗人は 怪物ゲリュオンによる降下↓ 地獄と煉獄の接続は、下方へ降り切ったと同時に上に登るのですから、『神曲』の難解事項だと言われています。 その謎解きは次回以降にしますが、一応、『神曲』の全世界を下に載せておきます。 現代の地獄の概念を作ったとされるダンテの『神曲』。そしてこれを正確に再現したのがサンドロ・ボッティチェリの「地獄図(地獄の見取り図)」。9つに分かれた地獄とそれぞれの罪人たちの様子。この「地獄図」からそんな地獄の世界観が見て取れるのです。 最新の研究の成果に基づく丁寧な解説。 神曲 地獄篇 / アリギエリ,ダンテ【著】/原 基晶【訳・解説】 - 紀伊國屋書店ウェブストア 当サイトを正常に閲覧いただくにはJavaScriptを有効にする必要があります。 文学に興味がある人必須!あなたの世界を彩るイタリア文学名著10選 『神曲』地獄篇は、1304年から1308年頃に執筆されたと考えられている。1319年には、地獄篇と煉獄篇は既に多くの人に読まれており、ダンテは名声を得ていたことが分かっている。天国篇は1316年頃から死の直前、1321年にかけて完成された。 ②-⑤ 第二の谷から第五の谷(それぞれ愛欲、飽食、貪欲、憤怒が罰せられる。 天使たちの群像、イエス・キリストを中心とした天国、地獄に引きずり落とされる人々などが描かれている。「マタイによる福音書」に示される最後の審判を主題とし、ダンテの叙事詩『神曲』地獄篇からインスピレーションを得たとも言われる。 右側の善人は天国へ 左側の悪人は地獄へ. 第九圏(コキュートス):裏切者, ちなみに第一圏の入り口にある門に、有名な一言「この門をくぐる者、一切の望みを捨てよ」と刻まれています。, 第七圏から第九圏はさらに細かいゾーンに分けられており、それよりも浅い圏にいた魂たちよりもより重い罪で罰せられています。ダンテの地獄においては「知性を働かせて他人を陥れる罪」がより重いとされています。, 特に「裏切りの行為」は非常に重く、最下層の第九圏においては裏切りを働く対象に分けられて魂が責め苦を受けています。, 地獄で罰を与える存在というと、鬼のことを想像する人も多いかもしれません。キリスト教においては、それが悪魔であるというイメージも強いと思います。, ダンテは地獄にギリシャ神話の登場人物たちを数多く登場させているのです。例えば半人半馬の怪物ケンタウロスは弓矢で武装し、第七圏の第一小圏を守護しています。, とはいえ、ギリシャ神話の登場人物が地獄篇において常に罰を与える側であるとは言えません。例として、神話上の英雄イアソンは愛した女性を裏切り続けたとされ、罰せられる側の存在です。, 地獄という死後の世界は、何もキリスト教世界のみに存在するものではありません。仏教やイスラーム教においても地獄は存在します。, 日本人の多くに馴染みのある仏教について比較してみます。いくつかある相違点のうち、顕著なものは「①地獄からの脱出の可否」と「②罰が重くなる要因」です。, キリスト教において地獄に堕とされた魂は、煉獄や天国に向かうことは出来ないとされています。生前に犯した罪を覆すことはできず、その魂たちは永遠に地獄で責め苦を受けなければならないということです。, 仏教においては地獄に堕とされたとしても、新たな生を受けるチャンスがあります。(輪廻転生), 先述した通り、他人を欺いたり裏切ったりした罪がキリスト教では重く、それらを犯した魂たちは深層で罰せられています。一方で肉欲や食欲などといった本能に基づく罪は比較的軽いものとされています。, 仏教においては、罪が知性に基づくから最も重くなるというわけではありません。宗派による違いもありますが、基本的には殺生の種類と数によって罰の重さが変化するという考え方ができるでしょう。, 『神曲』は、キリスト教世界における死後の世界のイメージを、読者が具体的に想像するための助けとなりえる作品と思います。三部作全てを読むのは大変ですが、地獄篇だけでも手に取ってみることをお薦めします。, またダン・ブラウン原作の映画「インフェルノ」は『神曲』地獄篇が重要なキーワードとして登場します。原作にせよ、映画にせよ、その目でダンテの不思議な旅を御覧になってはいかがでしょうか?, 観たら行きたくなる!トスカーナ・フィレンツェを舞台にした映画5選 ああ冷酷な大地よ、なぜおまえは口を開かなかったのだ ? あの憧れの微笑みにあのすばらしい恋人が接吻(くちづけ)る 『神曲』の地獄篇をザックリ解説! 『神曲』の構成; ダンテ・アリギエーリはどんな人? 地獄篇はどんな物語? ダンテの地獄はどんなところ? 罰を与えるのはどんな存在? ダンテの地獄は他宗教の地獄とどういうところが違うの? 1.地獄からの脱出の可否 「地獄篇」を読む前に 『神曲』「地獄篇」 (第1歌~第34歌) 各歌解説 訳者解説 新訳刊行にあたって 【内容】 古代詩人ウェルギリウスに導かれて巡る地獄 地獄では生前に悪をなした者達が、神による過酷きわまる制裁を受けていた。 次の一節で私どもは負けたのでございます。 ウェルギリウスは地獄篇 ... 2020年1月 dangodango.hatenadiary.jp ダンテ「神曲」の解説記… 2020-08-30 神曲 追記その3. そうしたと思い、すぐ立ちあがっていった、 われを過ぎひとは永遠(とわ)の嘆きに。 ^ 『神曲 地獄篇』(藤谷道夫補訳・注解、河出書房新社、2018年6月)、他に粟津則雄『ダンテ地獄篇精読』(筑摩書房、1988年10月)が刊行。 ^ 河島訳は〈地獄篇〉が「図書」(岩波書店)で、2005年(平成17年)6月号より2008年(平成20年 ここに入るもの望みを捨てよ, 神曲の中の名句の一つであるが、ここでも「われを過ぎて」は三度繰り返されている。地獄の門をくぐるものはここに一切の希望を置いて進めというのである。天、天使達、不滅の諸要素、純粋質料は永遠のものである。しかし、天使ルチフェルは堕落し、その者を幽閉するために地獄はつくられた。それゆえ地獄は永遠に存在する。(第三歌), 地獄は神の義と愛によってつくられた。中国で言う義とは英語の responsibility 、つまり応答できる能力を指していると今道さんは言う。正名(正しい定義)にこだわってきた人らしい。ヨーロッパにおいて、この responsibility という単語は19世紀には哲学辞典にさえない言葉だった。この主体的応答性に客観的な公平が前提とされる時、正義となる。義歯とは正義の歯のことではない。歯の機能に応答してくれるもののことであり、不義とは不正ではなく応答性の負、つまり裏切りであった。人々を善導しようとする神ゆえに、地獄は因果応報の正義を重んじる神の愛の所産であった。ダンテには罪を忌む厳しい思い、裏切りに対する仮借ない怒りがあった。地獄はそのような罪を犯した者が入る絶望の府としたのである。, 地獄は永遠に存在する。そして、そこでは溜息や泣声や声高の叫びが星もない空中に鳴り響いていた。神曲において星とは希望である。希望とは徳目であった。トマス・アクィナス、さらにさかのぼってアウグスティヌスの頃から聖パウロが述べる「信仰」「希望」「愛」は、神に対する徳、対神徳と呼ばれていたのである。地獄は、それが無い嘆きの都市であった。希望の無いところは地獄となる。私たちは、自らに対して、あるいは他者に対して地獄の門になっているかもしれないのである。, アケロン(三途の)川でカロンの渡し場が描かれた後、第四歌に入って、辺獄(リンボ)が歌われる。善良な人々であったが、キリスト教の洗礼を受けられなかったために第一の谷に住まう人々であった。ウェルギリウスは、自分がこの谷に来て間もなく、キリストがアダムやアベル、ノア、モーゼらイスラエルの善良な民とそれに忠実に仕えたものたちを祝福し連れ出したとダンテに語る。それ以前に人の魂が救われた例はないと。, ウェルギリウスは、ホメロス、ホラティウス、オウィディウス、ルカヌスらとしばらく談笑して別れた。高い城壁に七重に囲まれた高貴な城のなかには、エレクトラ、ヘクトル、アエネアス、カエサル、サラディン、それにアリストテレス、ソクラテス、プラトンらギリシアの哲学者や学者たちが次々と現れた。二人は静寂の中から出てゆらめく大気の中に入り、光明の無い場所へと入っていった。(四歌), 二の谷へと入る。その入り口では罪業を吟味するミノスが仁王立ちで歯噛みしている。閻魔大王の役割をしているのだ。その中空には肉欲の罪を犯した者の魂の群れが止むことのない地獄の黒い飈風(ひょうふう)に煽られている。ティドやクレオパトラがいて、パリスやトリスタンが見える。愛ゆえに現世を追われた幾千もの魂たちだった。ダンテはその内の一組に目をとめ、話しかけた。知りたいとお望みならとフランチェスカは話しはじめた。, 「ある日私どもはつれづれに、ランスロットがどうして愛にほだされたか、その物語を読んでおりました、二人きりで別にやましい気持ちはございませんでした。 ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 『神曲』には、訳の古さ、原典の曖昧さ、訳語選択の問題など、それぞれに難点がある。 ⑦ 第七の谷(他者・自己・神と自然への暴力/三つの円)―― プレゲトン川と渡し ―― 第四圏:貪欲 今道さんは、本書『ダンテ「神曲」講義』で、特に「天国篇」に関する解説を分かりやすくしてくださっている。 今回は平川祐弘さんの訳をもとに神曲全体は扱うけれど、特に天国篇をご紹介したいと … ¥ 1,000 (送料:¥250~) 里見安吉 著 、山本書店 、1995 、368p 図版 A5函 定価4800 函の底にB印自由価格新本 デラシネ書房. 神曲 地獄篇・天獄篇・煉獄篇の3冊揃 新版. われに先立った被造物とは 悪魔史における『神曲』 ダンテが「地獄篇」で描いた悪魔サタンの姿, 『神曲』のあらすじはとても簡単。作者でもある主人公のダンテが、地獄・煉獄・天国を旅するという内容です。 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 - 神曲の用語解説 - イタリアの詩人ダンテの叙事詩。 1307~21年作。「地獄編」 Inferno,「煉獄編」 Purgatorio,「天国編」 Paradisoの3部から構成され,各編が 33歌に分れ,地獄編の序詩を加えて 100歌,1万 4233行から成る。 ⑧ 第八の谷《10の濠/女衒・阿諛追従・聖職売買・占い・汚職・詐欺・瀆神・権謀術数・中傷・贋金作りが罰せられる》 ダンテは世界をどう描いたか 新訳「神曲地獄篇」と、その解説 山田慶兒 装幀・挿画 北沢街子 編集グループSURE 2009年初版1刷 カバー上部にヨレあり。状態良いです。 刊行のごあいさつ おまえらが三の濠にいる以上、 Amazonでダンテ, 平川 祐弘の神曲 地獄篇 (河出文庫 タ 2-1)。アマゾンならポイント還元本が多数。ダンテ, 平川 祐弘作品ほか、お急ぎ便対象商品は当日お届けも可能。また神曲 地獄篇 (河出文庫 タ 2-1)もアマゾン配送商品なら通常配送無料。 原初の愛が、われを創った。 「地獄篇」を読む前に 『神曲』「地獄篇」 (第1歌~第34歌) 各歌解説; 訳者解説 新訳刊行にあたって 【内容】 古代詩人ウェルギリウスに導かれて巡る地獄; 地獄では生前に悪をなした者達が、神による過酷きわまる制裁を受けていた。 神曲、地獄篇。 政変によって都を追われ、流浪の身となったダンテは、その生きる力の矛先を文学に傾けた。その高圧電流のような幻視力は、700年の時を越えて現代に生きる我々を魅了、いや感電させ続ける。とりわけ、この地獄篇は。 第五圏:怒りと怠惰 花の都フィレンツェを歩く②~チェントロ(中心街)~ 第八圏(悪の巣窟、マレボルジェ):他人を欺いた者 神曲(講談社学術文庫)(ダンテ・アリギエリ,原基晶,実用,講談社,電子書籍)- ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能… 続きを見る -第一小圏:暴君、殺人者、強盗 解説: イタリアの詩人ダンテ(1265~1321)が書いた「神曲」をテーマに、「Inferno(地獄)「Purgatorio(煉獄)」「The Ascension(昇天)」「Paradiso(天国)」の4つの楽章からできていて、その第1楽章が「地獄篇」です。 Amazonでダンテ・アリギエリ, 原 基晶の神曲 地獄篇 (講談社学術文庫)。アマゾンならポイント還元本が多数。ダンテ・アリギエリ, 原 基晶作品ほか、お急ぎ便対象商品は当日お届けも可能。また神曲 地獄篇 (講談社学術文庫)もアマゾン配送商品なら通常配送無料。 悪魔史における『神曲』 ダンテが「地獄篇」で描いた悪魔サタンの姿, 『神曲』のあらすじはとても簡単。作者でもある主人公のダンテが、地獄・煉獄・天国を旅するという内容です。 Upholding the Past / Staying in Tune with the Ever-Flowing Universe, 今道友信(いまみち とものぶ)さんの講演を聞くことができたことは、幸福な思い出となっている。今でも忘れがたい。2001年の北九州市立美術館での講演だと記憶している。演題は『東洋の美学――二十一世紀の課題として――』だった。その格調の高さと親しみやすさが入り混じった語り口、国内外の詩・文学を縦横に引用しながら全く違和感なく話の中に滑り込ませる力量にすぐに引き込まれた。こんな話ができたらいいなあと淡い憧れをいだいたものだ。講演の後、挨拶のような言葉を二言・三言交えた、そんな刹那が、代え難い瞬間になることもあるのだ。, 講演の中での驚天動地の言葉は、これだった。「日本が必ず21世紀に独立国として残るかどうか保証はないんですね。歴史を見ればどんな国でも800年も続いたという国は滅多にないのです。‥‥どうしても皆が守らなければならないのは私どもの、多くの方の母語である日本、これを大事に続けていかなければなりません。日本が国家として盛んになっても、日本語が乱れて日本の文化が無くなってしまうのだったら、滅びても日本語が残って、日本の文化が残っていることが余程人類のためになりますね。」今道さんは、自分は修道院に入ったこともあるけれど、召命がなくて世俗の中で哲学をするようになったとおっしゃっていた。カトリックの敬虔な信者であった。ダンテの神曲については、多くの本が書かれているのだろうけど、キリスト教の教義に関して、僕も含めて日本人は詳しくないと思う。それで、神曲の宗教哲学に関する部分は、不明なことが多い。今道さんは、本書『ダンテ「神曲」講義』で、特に「天国篇」に関する解説を分かりやすくしてくださっている。今回は平川祐弘さんの訳をもとに神曲全体は扱うけれど、特に天国篇をご紹介したいと思っている。, オーギスュスト・ロダン(1840-1917)『地獄門』石膏  1880-1917 オルセー美術館門の上の三人は象徴的な意味を持っている, 時は、1300年の聖金曜日、ダンテは暗い森の中に行き暮れていた。あるのは、自分は誠の道を踏み外してしまったのだという悔恨だけだった。一匹の斑紋のある美しい豹に向いあったが、朝陽に救われた。今度は獅子が、続いて狼が現われた。色欲、権力欲、貧欲をそれぞれ象徴している。ダンテは谷底まで逃げる途中、「今は人ではないが、かつては人であった」者に出会った。これから永劫の場所へ連れて行ってやるという。それがローマの偉大なる詩人ウェルギリウスであった。彼については、小川正廣 『ウェルギリウス研究 ローマ詩人の創造』 ホメロスとウェルギリウスで書いておいたのでここでは繰り返さない。ホメロスをウェルギリウスは讃え、ウェルギリウスをダンテは手本とした。ここに三重の輪がある。(第一歌), ダンテは1300年にフィレンツェのプリオーレ(長官)の職に選ばれた。こちらは史実である。この時、フィレンツェは神性ローマ帝国皇帝を支持する皇帝派のギベリン党と教皇を支持するグェルフィ党とが勢力を争っていたが、そのグェルフィ党も黒派と白派とに分裂した。黒派は白派と教皇との切り離しに成功する。ダンテは、この白派の指導者だったのである。彼は、欠席裁判により税金の使い込みと教皇に対する陰謀罪を問はれ、罰金と2年間の追放刑を宣告されたが、この裁定を不当として当局への出頭に応じず、1302年、3月15日に死刑(火刑)宣告され、4月4日にフィレンツェを脱出した。そして、ほぼイタリア全土を逃亡する者となり、フィレンツェに一度も帰ることなく、最後はラヴェンナで領主グィド・ダ・ポレンタにかくまわれ、子供たちと2年ほど一緒に暮らしたのち1321年に亡くなっている。1265年生まれだから56歳前後で亡くなったことになる。, ウェルギリウスへ地獄めぐりに対する不安を吐露するダンテだったが、天国にいる人たちが、自らも地獄めぐりの体験を持つヴェルギリウスに依頼したのだと語り、彼を安心させる。(第二歌), われを過ぎひとは嘆きの都市へ。 撼させ続ける大作『神曲―地獄篇、煉獄篇、天国篇』を堂々の三部連続上演! イタリアの異才、カステルッチとソチエタス・ラファエロ・サンツィオ イタリアの異才アーティスト、ロメオ・カステルッチ率いるソチエタス・ラファエロ・サンツィオは、1981 ¥ 2,500 (送料:¥600~) 山田慶兒 、編集グループSURE 、2009 、1冊 カバー。書き込み無し。数点のヨゴレはございますが、目立ったキズは無く、概ね良好な状態です。 はなひ堂. すると子供たちは空腹のあまり 永遠のものだけで、われ永遠に立つ。 いまこそ宣告のラッパが高鳴ってしかるべき時だ。」(1-6/平川祐弘 訳), シモンとは聖フィリッポに洗礼を授けられたサマリアの魔術師だったが、使徒たちが手を置くことで「霊」が与えられるのを見て、金でその力を授けてもらえるように懇願したという。その記載が聖書の使徒言行録にある。(十九歌), 四の濠では生前未来を占った者たち、魔術妖術を行った者が、胴体に頭を前後逆さにつけられて後ろ向きに歩いている。テーバイを攻めた預言者アムピアラオス、オイディプスに予言したティレーシアスらが見える。(二十歌), 五の濠では汚職収賄の徒が煮えたぎる瀝青(チャン)の中に漬けられている。黒い鬼がルッカのサンタ・ジーラの長老の一人をそこに漬け、浮かび上がると百余りの鉤で頭を引っ掻けて沈めるのだ。(二十一歌), 同じ濠をダンテたちは10匹の鬼たちと進んだ。彼らが近づくと詐欺師の亡者たちは瀝青の中に身を潜める。だが、愚図っていれば鉤で吊し上げられた。そういった男の一人に上手く逃げられてしまうと鬼たちは互いに諍いを始めた。(二十二歌), ダンテたちは八の谷の六の濠へ逃げ延びた。そこでは、偽善者たちが外は金着せで、内は鉛という重い服を着せられてのろのろと歩いている。地面にはユダヤの大司祭カヤバが磔刑にされていた。(二十三歌), 七の濠では盗賊たちが毒蛇に咬まれ、責めさいなまれていた。咬まれれば、忽ち火を発し灰となって焼け落ちるのだ。ピストィアの教会堂から聖器類を盗み出したヴァンニ・フッチがダンテに予言する。白党の人々は皆傷つくだろうと。(二十四歌), 瀆神のフッチにそれ以上は言わさぬと蛇が絡みつき縛り上げるが、彼は逃げだし、その後をケンタウロスの一人カクスが追った。フィレンツェの三人の亡者のうちの二人に蛇が襲いかかる。一人には六つの脚を持つ大蛇が背後から締め付け、二つの姿は一つに融け合い見たこともない姿へと変わりはてた。もう一人には胡椒のような青黒い蛇がへそに噛みつくと、人は傷口から、蛇は口から煙を激しく吐き、蛇は人に人は蛇に成りまさっていったのである。(二十五歌), 八の濠にやって来た。谷あいには権謀術策を事とした亡者たちが一人ずつ焔にくるまれて焼かれていた。その中の一つは先が二つに割れて燃えている。トロイの木馬を企てたオデュセウスとディオメデスが二人一緒に焼かれていたからだった。(二十六歌), 別の焔がロマーニャの地の安否を問う。グィド・モンテフェルトロは、法王ボニファチオ八世にパレストリーナ陥落の策を教えた。グィドが死んだ時、聖フランチェスコが迎えに来てくれたが、黒天使の一人が彼に言った。連れていくな。おれの権利を侵すな。こいつは瞞着の助言をした上は俺の奴隷たちの間に落ちるのが定めだと。(二十七歌), 八の谷の九の濠。生前中傷し不仲を煽った亡者たちが、ある者は頤から屁をひるところまで真っ二つに裂かれ、ある者は咽喉を裂かれ、鼻をえぐられ、ある者は両手を切り取られていた。ダンテを見て「ああ」と叫ぶ者があった。イギリス王ヘンリー二世の王子に父への反逆をたきつけたベルトラン・ド・ボルンだった。切られた首を手に捧げ持っていた。(二十八歌), そこは八の谷の最後、十の濠。贋金作りを罰する悪疫の蔓延する谷だった。疥癬に苦しめられる者たちの内の一人が錬金術で贋金を作ったカポッキオの亡霊だった。(二十九歌), 飢えた豚が檻から解き放たれたようにある亡者はカポッキオのうなじに噛みついた。そして石だらけの谷底を腹這いのまま引きずっていった。それは他人の遺言状を偽造したジャンニ・スキッキだ。もう一人噛みついてまわる亡者は、父親に道ならぬ恋をいだき他人の姿に成りすましたキプロスの王女ミュラ。贋金作りたちは互いにいがみ合い、殴りあった。(三十歌), 角笛が聴こえるとわずかしかない視界に塔のようなものが聳えているのが見えた。巨人たちである。その中の一人アンタイオスに向ってウェルギリウスは冷気でコキュトスの水が凍っている地底に我々を降ろしてくれるように頼んだ。(三十一歌), 九の谷は裏切りの谷である。凍てついた厚いガラスのような氷に覆われた地は同心円状に四つに分かれている。第一の円はカインの国、カイーナと呼ばれる肉親を裏切った者の堕ちる所だ。第二の円はアンテノーラと呼ばれる祖国を裏切った者の行く所である。百姓女が落穂拾いを夢に見る頃、水中から顔だけ出してガアガアと鳴く蛙のように頬まで鉛色になり、歯をガチガチと鳴らす亡者たちが氷の中に浸かっている。ダンテはそんな頭につまずくのである。(三十二歌), これらの頭が並ぶ中に、一つの穴に二人が氷漬けになった者たちが見えた。飢えた男がパンを貪るように上になった方が下の者の脳蓋に噛みついている。噛みつきながら憎悪のたけをぶちまけていた。それは、ウゴリーノとルッジェーリ大司教の二人だった。, 三の円はトロメーアと呼ばれる。客人を裏切って殺したアルベリーゴやブランカ・ドーリアらが涙もろともに眼球を凍りつかせている。肉体はまだ地上にありながら彼らの魂はこの地へ堕ちている。13世紀末、ピサではグェルフィ党(教皇派)が主流で、その中でもウゴリーノ伯とその一族のニーノ・デ・ヴィスコンティの二つの派に分かれていた。一方、ギベリン党(皇帝派)の代表は同市の大司教ルッジェーリだった。市の覇権を握るためにウゴリーノはルッジェーリと共謀してニーノを追放するが、今度はルッジェーリがウゴリーノとその子、孫五名を塔に幽閉し、彼らは餓死するのである。こちらは史実だ。, オーギュスト・ロダン 『地獄門』 部分中央上 ウゴリーノと子供たち  中央下 パオロとフランチェスカ, 「この憂いの牢獄の中にも かすかな光がさして、四人の子供の顔にも この俺と同じような表情が見えた、
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